スポーツの感が強いBMWZ4

BMW Z4はカブリオレ、クーペの形状を持ったスポーツモデルですが、上位機種である6シリーズと違い、2シーターとなっています。Z3の後を受けた後継モデルといった位置づけになっていますが、実は開発自体は同時に行われていてZ3の上位機種といった位置づけのようです。
事実、Z3より車体、排気量共に拡大しており、ちょうど3シリーズと5シリーズの中間を取ったようなモデルとなっています。Z3は車体の小ささも相まってライトウェイトスポーツの感が強かったモデルですが、このZ4は車体が大型化したせいか、その影は潜めています。ただし、スポーツを強く意識したモデルであることに変わりはなく、走りと実用性を両立させたモデルが多いBMWの中でも実用性は無視して走りに重きを置いた車体構成となっています。先代モデルではクーペとカブリオレの2種類をラインアップしていましたが、現行モデルにモデルチェンジしてクーペとカブリオレを合体させたクーペ・カブリオレにチェンジされています。これはソフトトップの代わりに折り畳み可能なハードトップを装着、電動で開閉させるものです。オープン車の開放感を味わうと同時にクローズ時にはクーペの流麗なフォルムを楽しめるものとなっています。また、2シーターを採用したモデルは同車では8シリーズ以来久々なのではないでしょうか。
トランスミッションもスポーツを意識したものを搭載しており、6速ATと8速ATのほか、グレードによっては7速DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)を搭載したモデルもあります。他のBMWとは違った特徴としてレース参戦の為のコンペティション・モデルが市販された点もあります。これは文字通り、レースに参戦するためのベース車両として販売されたものですが、保安部品を取り付けることによって公道走行も可能となるものです。同社はツーリングカーレースなどにも熱心に参加するメーカーですが、コンペモデルが販売されるのは珍しいことです。このZ4の実際のレース参戦としてはニュルブルクリンク24時間耐久レースや日本のSuper GT GT300クラスに参戦しています。
純粋にスポーツを意識したモデルとして魅力あるものとなっていますが、その価格や昨今の世間の状況から見るとあまり新車で台数が出ているとは思えず、中古車の台数もおのずと低いものとなっています。それに伴い価格も高めのものが多く、このモデルを狙っている人は値段と状態のバランスを見ながら考慮する、といったところでしょうか。ただし、先ほども言ったように台数があまりないことには注意しなければなりません。