BMWのこだわりとは

モノづくり、特に自動車などはどのメーカーでもこだわりを持って造っているメーカーが多いのですが、外国車、特にヨーロッパのメーカーは特にその傾向が強いブランドが多く、BMWも走り、デザイン共に強いこだわりを持っています。走りの部分でいえば重量配分を50:50に配分することにこだわっていて、昔からFF方式(前輪駆動)を採用した車種の例がなく、FF全盛の現在においてもFR(後輪駆動)というメカニズムを変えていません(一部車種除く)。ただし、研究は行っているようで、その研究の成果はBMWではなく、現在開発、販売を行っているミニに生かされています。
その為、ミニはFFのBMWと呼ばれることもあります。同じドイツのメーカーであるメルセデス・ベンツと比べられることも多いのですが、同じ国のメーカーでありながらクルマ造りの哲学はまるで違うものとなっていて、質実剛健で保守的なクルマ造りを行うメルセデスに対してBMWは車両の走行性能の向上に重きを置く傾向にあり、新機軸のメカニズムを採用することが多かったのですが、それゆえにトラブルに会う確率がメルセデスと比べて高いものでした。現在では部品調達の合理化などでそれらのトラブルはあまり起らないようですが、古いBMWの中古車を選択肢に入れた場合、注意する必要があるかもしれません。
ちなみに量産市販車でターボを採用したのはBMWの2002Turbo(1973年)が事実上初めてといえます。また、シャーシメカニズムのみならず、エンジンにも強いこだわりがあり、大型車では採用の多いV型エンジンは使用しておらず、直列エンジンを採用しています。これはハンドリングと合わせたドライビングフィールの確保の為で、特に直列6気筒のエンジンはその感触が素晴らしく、シルキー6(シックス)を言われています。このようにメカニズムに強いこだわりを見せるBMWですが、実はデザインにもこだわりを持っています。
BMWはデザイナーにデザインする上で条件を付けるといわれており、その条件とは1.ヘッドライトを丸目にする(あるいは丸目に見えるようにする。)、2.キドニーグリルを採用する、といったもので、このデザインのおかげでBMWはどんな新型車を出しても一目でBMWと判別できるようになっていて、なおかつ古い型の車両でもあまり古臭く見えることはありません。走りのメカニズムは先進的ですが、デザインに関してはある種、保守的なところが面白いメーカーとなっています。