5シリーズについて

数あるBMWのラインアップで中型車両を担うのが5シリーズです。ヨーロッパの車両基準で言うところのセグメントEに属する車両となります。このセグメントEとしては同じドイツのメーカーであるメルセデス・ベンツではEクラス、国産車ではトヨタ・クラウンや日産・フーガが同じセグメントに当たります。
もともとスポーティーさが売りのBMWですが、このクラスともなってくると車体はそれなりに大柄なものになってきます。排気量もまたしかりで、このクラスが登場した1972年当時は2000ccといった排気量もラインアップしていましたが、現行モデルでの最低排気量は2500ccとなっており、エンジン形式も直列6気筒にこだわる同社ですが、V型8気筒もラインアップしています。さすがに大排気量ともなってくるとストレートエンジンでは厳しいといったところでしょうか。また、車体の拡大により現在のモデルではAピラーより先端、つまりフロント部分はアルミニウムを採用して車体重量を抑えています。現行モデルとしては新しくグランツーリスモというモデルが追加されており、このモデルはちょうどハッチバックのような形をしています。パッと見のラインはトヨタのプリウスのような形、といえばわかるでしょうか。
従来モデルからの変更点がエンジンにも及んでいて、このクラスでは自然吸気の大排気量を使うのが一般的でしたが昨今の環境に対しての配慮から少し小さい排気量にターボエンジンを組み合わせています。排気量が小さいと従来モデルから性能はダウンしていると思いがちですが、ピークパワーは従来型と同じものとなっており、様々な自動車メディアもテストをしてみたようですがNAの4000ccと同様の性能と認めるところとなっていますので心配は無用のようです。これに加え、BMWお得意の電子制御も盛り込まれていてエンジンの出力特性やミッションの変則パターンを変更できるダイナミック・ドライブ・コントロールを装備しています。2012年から新たにディーゼルエンジン搭載車もラインアップに加えて環境への配慮を深めています。
このBMW5シリーズ、歴史のあるモデルだけあって中古車の価格帯も幅広く、20万前後から手に入るものもあれば800万円近くするものまで様々です。低価格帯のものを見てみると必ずしも低年式とは限らず、高年式でも走行距離が10万キロを突破したものなどが見受けられます。クラスからいっても手荒く扱われているとは考えづらい車両ですからこういった走行距離の多い車両もねらい目かもしれません。